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伊佐 雄治 展

会 期:2018/3/12-3/17

休廊日:日曜休廊

時 間:11:30〜19:30(最終日 17:00まで)

私は25年前の50歳を機に、それまでのグラフィックデザインの仕事を控え、版による自主作品を創り始めました。当初は版画の範疇で複数枚を刷っていましたが、その後、刷りの過程に不確定な要素を加え始めた結果として、最終的には同じものが刷れないという受動的な理由による1点限定の作品に行き着きました。
技法としてスクリーン孔版を選択した理由には、私がデザインに携わっていた当時の催事ポスターなどにシルクスクリーン印刷が多く使われていたことに加えて、デザインが本来的に持っている無名性と一般性にこだわりたいという想いがあったからです。
自主作品を創作するにあたって選んだ主題は「万葉」です。「万葉」といえば一般的には『万葉集』を指しますが、私は「万葉」の本来的な意味である「万世、そして草木の葉」という文脈に着目いたしました。万世すなわち“限りなく久しく続く世”と、一方で人と対立する生物区分である植物との因果を表す「万葉」という言葉は、武蔵野の自然の中で生まれ育った私自身の存在証明でもあったからです。もちろん私の作品から、当時の人々と自然との関わりを詠んだ『万葉集』を想起されても、やぶさかではありません。
作品を創り始めた当初は、草木と花、更には波や雲などの形状を、描写では無く敢えて写真という技法で製版していましたが、最近になって、対象を見る焦点が巨視と微視に交錯し始めた結果、色彩を特化させたグラデーションの作品に変様してきました。しかし対象を観察するという意味で、私の作品は写生画だと思っています。
今回の個展の画題は日本の「四季」です。そして、古典の様式に現代を重ねようとする試作の中に、装飾画としての最小限の用途が含まれることも目指しています。

(作者の言葉より)

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